東京湾アクアラインに学ぶ多様な防災体制

研修会を実施しました

【報告】
2025/6/19

 好天に恵まれた6月19日(木)、町会役員と関係者、総勢35名の参加者を得て、2025年度の研修会が行われました。
 今回の研修会では、東京湾アクアラインの海底トンネルが備える防災システムを視察し、防災に対する考え方を学んで参りました。
 朝8時過ぎに公会堂前を出発したバスは、一路、東京湾アクアラインの人口島「海ほたる」へ。先ずは研修室において、東京湾アクアラインの概要と工事完成に至るまでの経緯、そして防災システムの概要をビデオによる解説で学びました。続いて、1時間ほど掛けて災害発生時に使われる避難路とそこに備えられた様々な防災のシステムを視察して回りました。

 東京湾アクアラインでは、約10キロにもわたる海底トンネルの全線にわたり、車道の床下に避難路が設けられています。車道の300m毎に避難連絡路が設けられ、トンネル内での火災発生時など、滑り台を通じて車道から避難路へと降りることができます。その避難場所には非常電話のほか、消火栓も設置され、車道にホースを伸ばして消火活動を行います。
 また、この避難路の気圧は高く設定されていて、火災による煙や炎が車道から避難路に入り込まない工夫がなされています。
 あらゆるケースを想定した防災の備えには感心させられる点が多々あり、とても良い学びとなりました。

研修スタート
 先ずはビデオでアクアラインの概要を理解した上で、いざ、避難路へ。現在の上下線に加えた、将来の需要に向けた3本目のトンネルから、避難路に向かいます。
車道と避難路の間の床はわずか40cm厚
 海底トンネル全線にわたり、車道の下に避難路が設けられています。車道の300m毎に配置された連絡路から滑り台で避難路に降りられます。
 普段、高速道路などで見かける非常電話の中を拝見できました。車道での車火災の際には、車道が車で渋滞して消防車が近付けなくなることを想定し、避難路にある消火栓からホースを伸ばして車道の消火活動に当たる体制としているとのこと。
車道の下に延々と続く避難路
 1枚目は、車道から滑り台で避難した際に降り立つ場所での集合写真。参加者の背後(数字「1」の表示の左上)に一部が見える滑り台は、映画「シン・ゴジラ」で避難者役の前田敦子さんが避難するシーンの撮影に使われたそうです。
 2枚目は、海底トンネル掘進に使われたシールドマシンのモニュメント。散りばめられている歯は、実際の掘削に用いられた合金製。